【勉強の哲学】私たちは何のために勉強をするのか?【本解説】

読書

本書では、資格試験や受験勉強などのテクニックを教える勉強法ではなく、

もっと根本的な勉強の本質を教えてくれる、普遍的知恵が詰まった本である。

なにか新しいことを始めようとしている人、勉強という行為に対してマイナスなイメージを持っている方。

そんな人にとって良い本になっている。

決して勉強を勧めたりとか勉強の小手先のテクニックを書いた本ではないので、誤解のなきよう。

深く勉強するとは、ノリが悪くなることである

まず、深く勉強するとはどういうことか?

それは、ノリが悪くなるということである。

まず、私達は基本的に周りのノリに流されながら生きている。

家族、会社、学校、友達…。

さまざまな環境の中で、その環境内のノリに乗りながら、「浮かない」ように過ごしている。

どの環境でも、その環境内のノリに乗れない人間は嫌われ、排除される。

日本は特に同調圧力が強いのでわかりやすいだろう。出る杭は打たれるというやつだ。

しかし、本書で目指す勉強というのは、そのノリから脱却して自由になること

ここでいうノリというのは、環境の中で共有されている前提、価値観のことである。

例えば、友達同士で「あの芸能人が浮気したんだって~。マジで最悪だよね~。」という会話を複数人でしているとする。

この友達同士という環境の中では、「浮気をすることは最悪なことだ。」という価値観が前提として共有されている。

しかし、本書では「本当に浮気は悪いことなのか?」と疑い、その先に思考を展開していくステップが紹介されている。

これはまず「環境のコードを疑う」ツッコミである。

後ほど詳しく述べていく。

環境のノリから距離を脱却して自由になる

勉強の可能性とはなにか?

それは自由である。

私達は生きている環境のノリに無意識に縛られている。

それ自体は悪いことではない。

むしろ、環境のノリに乗っていたほうが楽しいし、人生は楽しいことが一番だ。

本書は勉強を進める本ではない。むしろ勉強のマイナス面を多く解説している。

ツッコミとボケ

さて、勉強の軸となる2つの要素、「ツッコミ」と「ボケ」について解説していく。

ツッコミ(コードを疑う)とボケ(視点を変える)

環境の中には、なんとなく「こうするものだ」というのがあり、私たちは無意識にそれに乗っかている。

この「こうするものだ」というのは、環境において、何か目的に向けられている。

友人関係だったら、「楽しい、快楽の感情を維持する」という目的に向けて、空気を読んだり、面白い話をしたり、一緒に遊びにいったりするのである。

恋人だったら「長く関係を維持する」という目的に向けて、LINEの返信をどう書いたらいいかと考えたりするわけである。

この環境における「こうするものだ」という、目的への方向づけを、コードと呼ぶことにする。

勉強とは、問いを立てることから始まる

さて、具体的な勉強のステップについて解説していく。

まず、勉強のスタート地点で重要となるのは、「問いを立てる」ことである。

そのためにはまず、私達が過ごしている環境におけるコードを客観視する必要がある。

「この環境の中にはこういう価値観や前提(ノリ)が共有されていて、こういう目的に向けて関係が成り立っているな(コード)」という風に、客観視するのである。

その上で、そのコードを疑い批判する。これが、本書で重要なキーワードとなる「ツッコミ」である。

ユーモア(ボケ)

その次は、環境のコードから別の可能性を考えてみる。

それがユーモアである。

この概念については本書で使われていた例が非常にわかりやすかったのでそのまま引用する。

勉強の有限化

勉強には必ず有限化が必要である。

なぜなら、有限化なしには勉強は無限に続いていくものだからである。

それこそツッコミとボケは無限に繰り返せる。

なので、勉強をしたら「これはこれ以上疑わずに、停留所として議論を勧めていこう」という風に、有限化を行う。

勉強とは、自己破壊である

最後に、勉強の本質について語る。

それは、勉強は自己破壊であるということ。

知識やスキルを足すのではなく、考え方や根本の感じ方を変える。それがノリからノリへ引っ越すということ。

その時に必ずしも楽しいことばかりが起こるとは限らない。

新しいノリが不快に感じることもある。

また、勉強するのがやめれずに鬱々とした気分になることっもあるかもしれない。

その点において勉強は自己破壊的である。

世の中には考えなくてもいいこと、知らない方が幸せに過ごせることが大量にある。

今のノリで安住してなんとなく幸せに過ごすもよし。

コードを疑って、新たなノリへの引っ越しを考えて勉強するもよし。

人生とは自分の選択によって切り開かれていくものだ。

本書は勉強を進める本ではなく、勉強の本質、手引となるような書籍である。

興味を持っていただけたら、ぜひ本書を手にとって、”本当の”勉強をするための一歩になれば嬉しい。

それでは。

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