最近、やたらとインターネットに一つの答えだけを求める人が増えてきたように感じる。
例えば、自分が抱えている悩みや問題を解決しようとして「〇〇する方法」、「〇〇においてしてはいけないこと」など。
その使い方が間違っているとは言わないし、インターネットは有益で価値ある情報源として非常に価値あるものだ。
しかし、時としてその使い方を間違えると、自分の人生を他人に預けて思考停止してしまうということになりかねない。
今回は、そんなインターネットに絶対的な1つの解を求めようとする私たちのクセについて考察していく。
答えは自分だけにしかわからない
これはどういうことか。
例えば、私達がインターネットで情報を求めるとき、
なにか自分の中で答えが出ない問題、悩みを抱えていて、
それを解決するために、手がかりを得ようとしてインターネットを利用することがほとんどだと思う。(娯楽としてユーチューブや5CHをさまようのは別として)
しかし、人生というのは人それぞれ違うし、答えというのも人によって違う。
つまり、答えは自分にしかわからないということだ。
インターネットを参考にするのはいいと思うが、実世界でアクションを起こしてみないことには何もわからない。
すぐに答えを求めようとする悪い姿勢
これが、便利すぎる現代社会に生きる私達の悪いクセである。
自分で考えもせず、何か一つの正解だけを求めてすぐに思考を放棄する。
これでは自分の人生を生きているとは言えないのではないか。
確かに、インターネットには、社会的に権威があって、特別な努力や経験をしてきた専門家たちが書いた、エビデンスもあって説得力がある非常に整った記事がある。
そのような知識や経験談などをインターネットを通していつでも読めるのは、自分にとって有益な情報になるし、参考ににはなるだろう。
しかし、それが絶対的な解ではないことは確かだ。
なぜなら、人生は一直線の未知にはなっておらず、私達一人ひとりが自分にとっての最適解を自分で導いていかなければならないからだ。
例えば、お金持ちで社会的地位のある大企業の社長が「企業に労働者として勤めるのではなく、企業をして投資をせよ!」といったとしよう。
果たして、それは私達全員に当てはまる最適解なのだろうか。
当然、違う。
無理して起業して一人でボロボロになるまで働いて精神を壊す人もいるかもしれない。
そんな人は、もしかしたら会社員として仲間と協力しながら働いたほうがストレスも貯めずに、幸せな人生を歩めたかもしれない。
また、昨今は投資ブームで「黙って米国株に積立投資をしろ」とかよく聞く。
しかし、全人類が投資をするべきなのかというと、それは違うだろう。
実際、投資をしなくても自分なりに幸せな人生を歩んでいる人などごまんといる。
少し反しがそれたが、このように社会的地位や権力、名声、金を持っている、いわゆる”成功者”と呼ばれる人間が言うことが必ずしも私達全員にあてはまるとは限らないのだ。
私達は安心感を本能的に求め続けている
ここまで読んで「言われてみれば当たり前のことだな。」と多くの人が感じたはずだ。
ではなぜそのことにもっと早く気づけなかったのか?
それは、「私たち人間は、本能的に安心感を求める生物だから」ということにほかならない。
不安や葛藤という負の感情は気分が悪い。
だからこそ、その負の感情を押し殺そうとして、インターネットにすがる。
そこで「なるほど、これが正解なのか!これで安心感を得ることができる!」と勘違いをする。
しかしそれでは答えが出ないことは明白。
自分の頭で考えるという最重要工程がすっぽり抜け落ちているからだ。
不安や葛藤という感情は、私がより良い人生を歩んでいくために必要なことであり、時には向き合わなければいけない感情なのだ。
インターネットも私たちの欲求に答えてくる
また厄介なのが、「インターネット上で情報発信をしている専門家やインフルエンサーの人たちも、あたかもそれが絶対的な解であるかのように発信してくる」という事実。
わかりやすい例が、ブログやユーチューブで「すぐ痩せる ダイエット」などと検索すると、私達の「楽をして痩せたい」という期待に答えるように、「一日5分だけで腹筋が割れる!」とか「筋トレも食事制限もナシ!楽に痩せるダイエット」などという動画がバンバン出てくる。
しかし当然、それで腹筋は割れないしすぐ痩せることはない。
急に痩せたら代謝が落ちるのでリバウンドすることは明白だし、実際に楽に痩せられるダイエット方法などない。
そんな方法があるのなら世の中にデブは存在しないだろう。
にも関わらず、今のインターネット上の情報は、アクセス数や再生回数を稼ぐために、私たちの期待に応えるようなもので溢れている。
これでは私達がインターネットに踊らされるのも無理はない。
こんな時代だからこそ、インターネットの便利さだけにかまけず、
インターネットの悪い面も理解した上で、自分の人生においてプラスになるような使い方を模索していきたい。
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