人生において人間関係というのは避けられない課題である。
人とうまくやっていき、人に好かれ、人に賛同してもらう実用的な方法が書いてあるこの書籍では、本当に学ぶものが多かった。
人と関わる上での人間関係の本質的な原則が書いており、非常に学ぶ物が多かったため、この記事では、私が特に重要だと感じた部分を抜粋して紹介していこうと思う。
人と話す際は、相手の自尊心を満たしてあげる
著者が一貫して言っているのは、人と接するときは「相手の自尊心を満たしてあげる」ということを心がけるということ。
自分本位にならず、相手にリスペクトを送り、相手の欲求を満たしてあげる。
これから詳しく解説していく。
叱るよりも褒める。とにかく褒める
相手に何かをしてほしいとき、「〇〇をしなさい!しないと△△になるわよ!」と圧をかけながら叱責する人は多いだろう。
しかし、人というのは前述した通り論理ではなく感情で動く生き物なので、
叱責されると、反発して「やりたくない!」という気持ちが加速していく。
そのため、まずは相手に対して、やったことを褒める。そうすることで相手の自尊心を満たしてあげる。その次に「〇〇してくれると嬉しいな!」と言いかけると、より相手は自発的に行動してくれる可能性が高まる。
相手の最も強い欲求は「自分を重要な人間として扱ってほしい」
人間が持つ強い欲求とは、「自分を重要な人間として扱ってほしい」というものである。
人々は、「自尊心を満たしたい」「自分を重要な人間として扱ってほしい」というモチベーションがあるから、努力をして成果を上げて、周囲から認めてもらうことを目指す。
かのエイブラハム・リンカーンは、自尊心を満たすために、貧しい無学の食料品店に勤務する店員から、法律の勉強に没頭して弁護士になったのだ。
話し上手よりも聞き上手のほうが愛される
多くの人は相手の話に耳を傾けない。相手の話を上の空で聞いている。人々は話し上手よりも聞き上手を好む。聞く力は他のどんな資質よりも稀有なものである。
私達は困っているときに求めているのは、話を聞いてくれる人である。イライラしている客、不満を抱えている知人、い傷ついている友人が求めているのは、まさにそれである。
逆に、自分のことばかり話、自分が言いたいことがあれば、相手の話を遮ってでも、自分の主張を展開させるようなことをしていては、あなたの周りから人は離れていくだろう。
相手に関心を持ってほしいなら、あなたがまず相手に関心を保つ必要がある。
相手が答えたくなるような質問をして、相手に自分自身の功績を話してもあろう。
人という生き物は基本的に自分にしか興味がない。相手のことなどほとんど興味がないのだ。
すべての人は何らかの点で自分よりも優れている
ここまで見てくると、「相手を尊重して、相手の欲求を満たしてあげる」ということが人間関係における原則であることがわかる。
しかし「相手にリスペクトを送ることができない」という人もいるだろう。
そこで、こんな考え方を提供したい。
「すべての人は何らかの点で自分よりも優れている」
どれだけ長所がなさそうに見えても、人には必ず自分よりも尊敬すべきところがある。
これは、どれだけ凶悪な殺人犯や、独裁者でも例外ではない。
殺人や独裁などは到底許されるべきことではないが、かといってすぐ相手を非難して怒りをぶつけるのではなく、まずは相手の良いところを探して、「相手の求めているものはなんだろう」と考える。
これが人間関係の原則である。
自分の正しさを過信しない
もし相手が間違っていることを言っていて、それに対して「あなたは間違っている」と単刀直入に言ったら、相手はあなたに賛同したくなるだろうか。
とんでもない。
相手は自尊心を傷つけられるので反論したくなる。あなたがどんなんい名論卓説を並べようと、相手は自分の信念を曲げようとしないだろう。なぜなら、相手を論理で納得させようとしても、人間は感情で動く生き物だからである。
人と話すときは、意見が合わない点から話を始めてはいけない
話を始めるときは、相手にまず「イエス」と言わせる。
人と話をするときは、意見が合わない点から話を始めてはいけない。自分が相手に賛同する点から話を初めて、絶えずそれについて強調するのだ。
相手が会話の中で「イエス」と言えるように工夫して、なるべく「ノー」と言わせないように気をつける必要がある。
著名な心理学者ハリー・オーバーストリート教授はこう言っている。
「相手は最初に「ノー」と言ってしまったことが軽率だったとあとで気づくかもしれない。しかし、自分の大切なプライドを守るために一貫性を保とうとするので、途中で意見を変えづらい。したがって、あなたとしては、相手に「イエス」と言わせるように話を始めることがとても重要になってくる。」
確かに、一回「ノー」と拒絶されると、相手は拒絶モードに入って、こちらの誘いや提案を受け入れられなくなってしまう可能性が上がることはなんとなく理解できるだろう。
相手を非難するのではなく理解しようとする
相手がなにか間違ったことをしても非難してはいけない。
非難するのは愚か者でもできる。相手を非難するのではなく理解するのである。
まず頭ごなしに否定するのではなく、相手が何らかの行動を取った理由を見極めることだ。
そして誠実な気持ちを持って相手の立場に立ち、「自分ならどんなふうに感じて反応するだろうか?」と自問してみるのだ。
そうすれば無意味にイライラして膨大な時間を浪費することもなくなる。
さいごに
今回は、デール・カーネギー著の「人を動かす」の超訳から、私が特に勉強になった部分を抜粋して紹介した。
この書籍はただの表面だけの言葉を並べたてた巷にある自己啓発本とは一線を画す。
人間関係の根本にあるエッセンスを的確に言語化されており、内容も実用的なものばかりだった。
コミュニケーションだけではなく、日常生活から仕事などの場面でも使える普遍的なエッセンスが詰まっている。ぜひ読んでほしい。
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