精神疾患は甘えなのか?

人生論

ネットやリアルでも、「うつ病とかパニック障害とか、甘えたことを言うな!」ということを平気で言う人がいる。

しかし、本当にそのような精神疾患は甘えなのか?

今回は、精神疾患が甘えなのか、そして、なぜ甘えだと思われるのかを考察し、それに対して私たち精神疾患患者はどう捉えていくかについて語っていく。

結論:甘えではない

私が思うに、精神疾患が甘えだというのは完全に間違いだ。

なぜなら、傍から見たら、仕事も学校も行かず、ただグータラしているように見えても、彼らは苦しんでいて、精神疾患を治すためにゆっくりと努力を重ねているからだ。

精神疾患はすぐ治るわけではなく、治すためには長期間の治療、そして休養が必要になる。

この”休養”が、傍から見たら「甘えだ。休んでいないで働けよ。」と、厳しい目で見られる原因になっているだけなのだ。

たとえ甘えだったとしても

また、たとえ精神疾患が甘えだとしても、私は甘えてもよいと思うのだ。

そもそも「甘えることが許されない」というこの社会が苦しい。

必ずしも、誰もが自立して、たくましく生きていく必要はない。

また、私たちは、国、家族、会社など、常に何かに頼り、甘えながら生きている。

本当の意味で一人で生きていくことはできないのだから、程度の差こそあれど、みんな何かしらに甘えながら生きているのだ。

にもかかわらず「精神疾患は甘えだ!言い訳して逃げるな!」と一方的に否定するのは、傲慢で自己中心的な考え方だ。

精神疾患はなりたくてなったわけじゃない

という話は一旦置いといて。

私はパニック障害と不安障害を診断されたが、これも勿論なりたくてなったわけじゃない。

「パニック障害になりたいなー。よし!パニックになろう!」と言ってなる人はまずいない。

精神疾患は、親からの遺伝、性格、後天的な環境のストレスなど、様々な要因があるが、

どんな事情であれ、精神疾患を持っている人は、本人が望んでなったわけじゃないのだ。

精神疾患は自分も周りも気づきにくい

なぜ精神疾患が世間で甘えと言われてるのかというと、第一の理由としては、「目に見える病気ではなく、本人も周囲の人も気づきにくい」ということが挙げられる。

例えば、ガンなどの病気の場合は、レントゲンで腫瘍などが見つかって、目に見える形で病気がわかる。

しかし、心の病気は目に見えない。

周囲の人からは問題ないように見えても、本人の心の中では辛い問題を抱えており、めちゃくちゃに追い詰められてる。

精神疾患じゃない人は、精神疾患の人の気持ちがわからない。

話題は少し変わるが、毒親問題に関しても同じこと。

良い親に恵まれた人は、「育ててもらってるのにも関わらず毒親だとか言うのは失礼だ」と、毒親育ちの意見を頭ごなしに否定するけど、それに対して私は「いや、お前は良い親に恵まれてるんだから、そりゃ毒親育ちの気持ちはわからないだろうよ!」と言いたい。

結局は、経験がない人は、経験がある人の背景や気持ちを理解することができないのだ。

日本特有の努力信仰

また、精神疾患は、自分のキャパシティーを越えるようなタスクや課題をこなそうとする。

または他の人からタスクを強いられる。

私は、日本にはこの「自分の身も心もボロボロにしてまでやるべきことをしろ!」という雰囲気が、学校でも会社でも強いように感じる。

しかし、これは私が経験したからこそわかることだが、身を粉にしてまで努力した先に得られるものは、ただボロボロになった自分だけだ。

仮にそれで目標を達成したとしても、自らの健康を害し、それで病気のリスクやストレスをためていては、本当に幸せな人生と言えるのだろうか。

重要なのは「ボロボロになるまで努力する」のではなく、「適切に休みながら効率よく努力する」ということだろう。

私たちが持つ最大の資産は、お金でも名誉でも地位でもなく健康だ。

健康な身体なくしては幸せな人生はありえない。

だからこそ、精神疾患の人たちは、適切な休み方を覚え、

その「休んでいる」という状態が、世間からは「甘え」と認識されてしまうのだろう。

日本のこの努力信仰は、幸福度の低下につながるのでやめたほうが良いと思う。

また、この思想こそが、日本が世界的に見ても幸福度が低いと言われる原因の一つになっている。

そもそも世間での認知度が低い

また、「世間での精神疾患の認知度が低い」からというのもある。

数年前と比べたら、ADHDやASDなどの発達障害や、うつ病などの精神疾患という言葉は広く認知されてきている。

しかし、それでもまだまだ精神疾患は世間で重く受け止められておらず、「精神疾患?すぐ治るでしょ笑」と、軽視されているように感じるのだ。

だからこそ甘えだと言われる。

「精神疾患は甘えだ」と言われても

以上のように、精神疾患はまだまだ世の中に認知されていない。

世間での風当たりは強く、苦しい思いで生きている人も多いことだろう。

しかし、それでも私達はこの社会で生きていかなければならない。

お金がなければ生活はできない。

だから、働きたくなくても、働かなければならない。

しかし、そこで社会のプレッシャーに押しつぶされそうになっても、受け流してほしいのだ。

つまり、何も気にせず、マイペースに社会復帰を目指していく。

周りの言うことは気にせず、治療と休養などをすることで自分の病気を治すのに集中する。

精神疾患患者がやることはこれだけだ。先の見えない将来ではなく、今できる目先のことを考えるべきだ。

精神科医でもカウンセラーでもなく、

精神疾患になったことのない一般人が言うようなことは、助言のように見えても、ただの無責任な戯言だ。

戯言を素直に受け止めて、「精神疾患は甘えか…じゃあ無理してでも働こう!休んじゃダメだ!」と考えて無理して頑張ると、自滅ルート確定。

ここで損をするのはあなただけだ。他の人にとっちゃ、あなたが精神疾患になろうが関係ない。

そして、たとえあなたが会社をやめようと学校をやめようと、社会は回っていく。

あなた一人が休んだところで、社会全体から見たらなんの問題もないのだ。

人生は楽観的に自分を追い込まずにやるのが一番だ。

それでは。



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