【宇宙よりも遠い場所】白石結月の、人間に対して冷めた感情

今回は、白石結月の過去と、それを乗り越えるまでの過程について考察したい。

彼女については、私も「友だちができたことがない」という点で非常に共感できるもあった。

白石結月は、この「宇宙よりも遠い場所」において、友達、友情に関して非常に考えさせられるキャラクターだった。

この記事はこんな人にオススメ

  • 白石結月ってどんな人?と気になっている人
  • 白石結月が南極への旅を通じてどう変化したかが知りたい人
  • 「宇宙よりも遠い場所」が伝えたかったメッセージ

白石結月の性格

白石結月。

年齢は4人の中では一番下の高1。

同年代の女の子と比べて非常に冷静で、4人の中で最も大人びている印象がある。

幼い頃からタレント活動をしており(おそらく本人の意志ではなく親の意志であろうが)、

子供の頃から友達がいたことがなく、親友をどうしても作りたいと思っていた。

孤独

彼女は友達がいなかった。

また、そのことに対して「もう友達は作らないでいいや…」という諦めの感情も持っていた。

これには私jも共感できる所があって、長期間友達がいない経験をしていると、もう自分には一生できないんじゃないかという不安すら越えて、「もう友達はどうでもいいや。」という投げやりな環状になる。

しかし、結月は3人にかすかな期待を抱いていた。

「今までは、友だちができてもすぐに疎遠になったけど、今度は彼女らは『一緒に行こう!』と誘ってくれるんじゃないか。」

しかし、自分から「一緒に行こう!」とは言い出せなかった。

なぜなら、結月はこの時は、人間に対して冷めた感情を持っていたからだ。

「仲良くなろうとしてもすぐ裏切るだろう。」


「あの3人も、今まで出会った同級生と同じように、私のことなんかどうでもいいと思っているんだろうな。」

「どうせ人間関係なんてこんなものだ」

過去の友だちができなかったという失敗経験から、そんな人間に対する不信感、諦め、の気持ちがずっとあったのだ。

3人の思い

しかし、早朝に結月の家に押しかけてまで、3人は結月を、南極観測隊に参加すること誘ってくれた。

結月を見捨てなかった。

今までは、友達を作ろうとしても空回りをして、結果、見捨てられる。

しかし、3人は誘ってくれた。

否、単純に結月とともに南極へ行きたいという純粋な気持ちがあったのだ。

決して「あの子は友達がいないから、誘ってやるか!笑」などという同情、軽い気持ちなどではなく、ただ純粋な「白石結月と一緒に南極に行きたい!」という気持ちが、

結月の、人付き合いに自身が持てずに人間不信気味になっていた気持ちを突き動かしたのだ。

そして涙を流す。

自分を必要としている人がいるという感覚を味わって、感極まってしまったのだろう。

このシーンでは、私も同時に涙を流した。まぁ私は友達いないけど…。

…。

友達とは

それでもまだ、結月は人間に対しての不信感をずっと抱いていた。

第10話で友達契約書を作り、それをキマリ達に突然差し出す。

この南極観測隊が終わったら、私たちはそれぞれ、離れ離れになる。だから契約書を作ったのだという。

しかし、そんな契約は友達ではない。

報瀬が言っていたように、友達というのは、文書で表されるような言葉ではない。契約で縛られるものでもない。

「形でも言葉でもない。家族とも恋人とも違う。ぼんやりしたものだし、いつ消えるかわからない。でも、だからこそ一緒にいられる。」

そう報瀬は言った。

この言葉にこそ、友達という言葉の本質が含まれている気がした。

ひらがな一文字

結月は、友達が何なのかわからなかった。

友達というのは言語化も出来ない曖昧なもの。

そう

相変わらず友達という意味に疑問をいだいていた結月が友達の本質を理解したのは、誕生日サプライズでケーキをプレゼントされた時。

結月にとって、誰かから誕生日を祝われたことがなかった。

キマリは第10話の最後に言う。

わかった!友達って多分、ひらがな一文字だ!

この一言で、私はなんとなく友達というものの本質を見た気がした。

血縁関係もない、育った環境、性格まで違う、いわば他人。けれど、ひらがな一文字だけでも心を通わせることができる。

それが友達という曖昧な存在の本質なのだ。

「宇宙よりも遠い場所」は、私たちに沢山のメッセージを与えてくれたが、

ここでは「友情、友達の本質とは何たるか」を私たちに教えてくれた。

結月の成長

結月はここで初めて友達の真の意味に納得できた。

今まで孤立してきて、誰かに悩みを打ち明けたり、自分のすべてをさらけ出すようなことができなかった結月。

しかし、この南極というまっさらな地で、キマリ、報瀬、日向の3人と同じ場所で時をすごし、自分のすべてをさらけ出せた。

そして、人間に対して不信感を抱いていた結月は、3人との旅を通して、徐々に「人を信頼する」ということができるようになったのだ。

そんな結月の成長が、作中での結月についての最大の見所だ。

私も実際、今までまともな友人関係を築けたことがなく、ずっと1人でいたので、結月には一番感情移入できたし、そんな結月が人間に対する不信感を克服したときには、涙せずにはいられなかった。

離れ離れになっても、4人はつながっている。

友達とは言葉でも形でもない。

だからこそ、4人の関係はまさに”親友”と言えるのではないだろうか。

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