本作のテーマである南極到達における最重要人物である小淵沢報瀬。
今回は、そんな小淵沢報瀬の作中で気になったこと、彼女はどう変化したのかを語っていく。
この記事はこんな人にオススメ
- 小淵沢報瀬ってどんな人?と気になっている人
- 小淵沢報瀬について深く知りたい人
- 小淵沢報瀬が本作でどう変化したか知りたいか
小淵沢報瀬の性格
小淵沢報瀬。
性格はとにかく一心不乱。
一つのことに向かったら止まらないほどの勢いで突き進む。
また、堂々としているように見えて、意外と人見知りな一面もある。
「お母さんが待ってる」と、南極観測隊に参加するための資金を集めるために、友達も作らずにバイトに明け暮れ、100万円を溜めて南極に行こうとする。
母のために南極へ行く
彼女の南極に行く目的はただ一つ。
「母が南極に残した証を見つけるため。」
悪い言い方をすると、母がなぜそこまでして南極に到達したのかを確かめたかったのだ。
確かに、子どもからすると、南極に行った所で何があるのか、何の価値があるのかわからない。
だからこそ、報瀬は母がそこで死んだ理由、そこで命を失うほどのモノがあったのか。l
それを確かめたかったのだ。
ざまぁみろ!
また印象的だったのが、9話にて、船が南極に到達し、4人が南極という新たな地に足を踏み出すシーン。
その時、報瀬はこう言った。
「ざまぁみろ!あんたたちが馬鹿にしても私は信じた!絶対無理だって言われても、私は諦めなかった!ざまぁみろ!」
今まで同級生に馬鹿にされてきながらも、諦めずに真摯に努力し続けてきたからこそ、
南極というずっと行きたかった場所に到達した時に、こみ上げた感情なのだろう。
そこで私も感動して彼女の今までの努力がどれほどのものかをその言葉から察することが出来た。
しかし、それと同時に「え、南極に着いたのに、まずそこなの!?」とも思った。
というのも、報瀬が南極に来たのは母のためだ。
にも関わらず、南極と直接的に関係のない、今まで馬鹿にしてきた同級生に対する言葉が最初に出てくるのは、この「南極に到達すること」の目的、本質を少し見失っているようにも感じた。
まぁ、それも女子高生らしい精神的未熟さが観られて可愛らしくも感じたのだけれど。
一心不乱さは時に自分を見失う
報瀬は、一生懸命になりすぎて、時に本来の目的を見失ってしまうような危なっかしさがある。
実際、報瀬は12話にて
「南極に来たら泣くんじゃないかと思ってた。でも実際は、何を観ても『写真と同じだ。』くらいの感想しか出てこなかった。感動がなかった。着いたところで特に何も感じない。」
と言っていた。
母がかつて踏み出したその南極という地にたどり着き、母がかつて観た景色を観ても、そして命を落としたその場所に到達しても、彼女は何も感じていなかったのだ。
だから、到達した時に最初に出てきた言葉が『ざまぁみろ!』だったのだと思う。
ここに来た意味
確かに、南極は母が来た場所とはいえ、母はもう既にこの世にはいない。
自分が今更何をしたところで、母との繋がりはもうない。
そう感じていた報瀬だった。
報瀬はもう諦め気味に
「ここにこれただけでも十分だよ。お母さんがここにいた証拠なんてない。」
この時の報瀬は途方に暮れていたというか、心ここにあらずといった状態だった。
しかし、キマリ達3人は、「報瀬のお母さんがここにいたという証はあるよ!」と言い、必死にそれを探す。
そして必死に漁った結果、一つのノートPCが見つかる。
そのPCには、小淵沢貴子と小淵沢報瀬の2人の家族写真が貼られており、ハッキリと母のモノであるとわかった。
南極で得たもの
南極に到達しても何の感情もわかずに無表情でいた報瀬。
おもむろにノートPCを開くと、そこには大量の、報瀬から母への今までのメールが大量に表示される。
その瞬間に初めて、報瀬は涙を流した。
そう、報瀬は定期的に、否、毎日のように母にメールを送っていたのだ。
「自分のメッセージは母のもとに届いていたんだ」という、母との繋がりをここで初めて実感し、彼女は涙を流したのだ。
そして、「母が南極にいた証」を見つけることができ、
これこそが、彼女が南極に来て得られた最高の宝物だったのだ。
母との決別
今までの報瀬は、母への異常なまでの執着があった。
母のためにお金をため、そして母のために南極に行く。
しかし、最終話では、100万円を母が死んだ場所に置いていき、ノートPCも、観測隊の隊長である藤堂に渡す。
ここで初めて報瀬は母への執着から脱することができ、
そして「必ずまたこの場所に来ます!」と、晴れやかな表情で言う。
3人と南極観測隊を含むすべての仲間と協力しながら、そしてまっさらでむき出しの大地である南極で、自分のすべてをさらけだし、
南極になぜ自分は来たのかという疑問に対する自分の納得いく答えが出せた報瀬には涙せずにはいられなかった。
報瀬は、仲間がいたからこそ、母との繋がりを感じ、南極に来たほんとうの意味を見出すことが出来たのだ。
誰にでも、過去にわだかまりがあっても心に蓋をしたまま時を過ごす事が多い。
しかし、報瀬はとにかく行動した。
自分の中で納得いかないことがあったからこそ、とにかく一心不乱に行動した。
報瀬は、そんな行動力が自分の人生にも、また周囲の人々の人生にも良い影響を与えられることを私たちに教えてくれた。
私もまだ18歳なので、小さなことからでも、何かに挑戦するという行動を積み重ねていきたい。
その先に見える景色はきっと、報瀬たちが観たような美しく晴れやかな景色が広がっているのかもしれない。
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